こんにちは
齋藤シーサイド・レディースクリニック医師の山下です
大阪医科大学の若手医師(遠い目 )の頃によく看護婦さんからされた質問です。
患者様は多分聞きにくいのでしょうね (^_^;) ・・・
あまり聞かれた覚えがありません。
答えは・・・あまり面白くないですが・・・
母を尊敬していたからです。残念ながら昨年88歳で亡くなりましたが、生涯現役の産婦人科医として、患者様から「女医先生」と慕われていました。
母は産婦人科医でした。
その母が「産婦人科は面白いよ」とアドバイスしてくれたのでなりました。
兄も産婦人科で開業してますので、やはり母を尊敬していたのだと思います。
大学の医局でもほとんどの先生が、「産婦人科開業医」の息子や娘でした。
時折、「ポリクリ(インターンのようなもの)の時にお産をみて感動しました」といった部外者?も入局される理由としてあるようです。
産婦人科の医局生活は激烈 でした。
入局した当日、医局長に「君、泊まっていくやろ(笑)」と言われてなんの準備もなく、そのまま1か月間泊まり込み(寝間着は術衣 )で、おうちに帰れませんでした。
ちょうど騙されてタコ部屋に放り込まれて土方をさせられている若者のような待遇です。
夜お産が3件ほどあると、窓の外ではチュンチュン が鳴いていました。 そのまま翌日の勤務です。 「休み?ナニ?ソレ?喰えんのかぁ?そんなに寝たいんやったら麻酔かけたろか?あぁ?(上の先生のとっても優しい涙がこぼれそうになるお言葉)」状態でした。 実にこのような生活が
6か月間ぶっ続け! でした。この6か月間にお産というものを 体に叩き込まれる わけです。
ある夜医局でテレビを見ていると ヤクザさんの事務所のドキュメント がやっていました。「電話は3回なるまでに取れ!!!」・当直の夜食は若いもんが買出しに行くとか・・・「あっ うちの医局と同じじゃん 」と思いましたね。・・・思いましたね(母親に)騙された
大阪医科大学産婦人科の名誉のために言っておきますが、厳しい研修医生活ではありましたが、他大学出身の私を公平に扱って下さいました。(入局希望者の方!ここポイント!)当直の先生方は居残る医師や研修医のために、毎晩食事を用意して下さり、医局ではためになる色々な経験談・人生観を聞かせていただきました。本当にありがとうございました。
割とそのような軽い理由で産婦人科医になっちゃいましたが、患者様とたわいのない話をするのが楽しいです。いま、不妊症・不育症の患者様を主に診ていますが、患者様が妊娠され「赤ちゃんが欲しい」という望みを叶えられた時が患者様の・・・人のお役に立てて嬉しい瞬間です。
P.S.多分どこの医局でも産婦人科医はこのような試練を経験しているハズです。「小さくても大切な命! 」産婦人科医(特に産科医)を見かけたら 優しい言葉 をかけてやってください。 (ノ^^)八(^^ )ノ