こんにちは 齋藤シーサイド・レディースクリニック医師の山下です。
最近よく「AIHは、6回以上しても意味がないのですか?」と質問されます。
どうでしょうか?
以前、多施設間の共同研究で6回が目安というのがありました。それが根拠となっていると思います。
私は個人的には6回~10回を一つの区切りとしています。
それは、6回以上の人工授精で妊娠された方をいくらでも見て来たからです。
例えば、以前他のクリニックで体外受精までされた方で、体外受精はもう受けたくないとの事で、こちらで9回目の人工授精で妊娠された方。
他クリニックで、8回人工授精されたが、妊娠には至らなかった方。当方のクリニックで5回目の人工授精で妊娠されたが、流産し、さらに排卵誘発剤の注射を併用し計9回目で妊娠された方。
大学時代、クロミッド+人工授精の治療の方で内膜が5mmと薄くなるので、他治療をお勧めしたが、コストの問題で2年近く続け、「もうお願いだから別の治療を受けてね」(iДi)とお話ししたが、最後のクロミッド+人工授精で妊娠された方。
恐らく、こういった症例は不妊治療をされていた先生であれば、ザラにある事だと思います
古い話ですが、まだ私が研修医の時に、国立病院の産婦人科の部長先生が「あの患者さん、40回目の人工授精で妊娠したわビックリマーク」とお話されていた事がありました。おそらく経済的理由 e.t.c. で人工授精を続けていたのでしょうね。インターネットでもそのような医師の記事を見たことがあります。医者もビックリ (;°皿°) です。
もちろん漫然と同じ治療を続けることは良いとは思いませんが、年齢や卵巣年齢(AMH)等を考慮し、時間的余裕があれば6回~10回くらいをめどに人工授精を行ってみる価値はあると思います。