こんにちは 斎藤シーサイド・レディースクリニック医師の山下です。
卵巣子宮内膜症(片側のチョコレート嚢胞)の治療後に妊娠された患者様ですが、二人目不妊で来られた時の話です。
「お久しぶり~」とかの会話の後に診察をしたのですが、経腟超音波の像をみると、子宮の中に太かスリコギのような棍棒上の子宮内膜ポリープがあり、なんとそれが子宮内膜の蠕動によって、子宮内腔をゴシゴシ掃除をしているのです!!! (((( ;°Д°))))
患者様にもその場でエコーの様子を見てもらい、二人で「コイツが犯人や!!!」と言いながらマジマジとその動きを見つめました。まるで火縄銃の銃口の中を掃除するように動いているんです。そりゃ着床できるワケないやん!
子宮の内膜は腸のように(ミミズのように)蠕動しているんです!
その蠕動の動きは
排卵期には精子を導くために子宮の内宮方向へ
それ以外の時期は、ばい菌等を排除するために子宮の外の方向へ向かって蠕動します。
たぶん、その内膜の蠕動にあわせて、外側方向に引っ張られては、ゴムのように元の位置に戻ることにより、そんな動きになったのでしょう。
その患者様は、子宮鏡で子宮内膜ポリープを切除してから、タイミング療法で「ポン!」と妊娠されましたドキドキ
子宮内膜ポリープは不妊症の原因の一つとして挙げられていますが、これほど「間違えなくオマエが原因!」と思えたポリープも珍しかったです。
一人目の治療の時はなかったのに・・・子宮の中は刻々を変化しているんだと実感しました。